僕が医師になるまでの72ヶ月。
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僕が医師になるまでの72ヶ月。2008_11

08_11/11◇僕とテスト


最近更新が止まっていたのは、テストを受けていたからです。



テストは何度受けても、嫌なもので慣れない。

開始5分前、自作のテスト対策ノートをかばんにしまった瞬間から、
せっかく覚えたことが、頭頂部から抜けていっているような恐怖感。

わかんない問題にぶち当たったときのあきらめは、まだしも、
知ってるはずの知識が、出てこないときの自分への苛立ち、
どうしてもっとちゃんと勉強しなかったんだろうと自責の念にかられて、
そんな中でも容赦なく時計は止まらず、せまりくる終了の時間。

そんな中、脳がフル回転しているのを感じて、テンションがあがる。
交感神経終末からアドレナリン大放出されているのを感じる。
脳内麻薬が分泌されているのか、少し気持ちがいい。


学生生活にしか得られない、無慈悲な順位付け。
医者になれば、毎日がテストのようなものだろう。
どの患者さんに対しても、
病院の中を歩いていても、評価の対象なんだろう。
この失敗しても自分が困るだけという、無責任な特殊なゲームも、もうあと数回か。


最後の最後の国家試験は、どんな精神状態で臨むんだろう。
怖くもあり、楽しみでもある。








ちなみに、テストが終わって、ひどめの風邪ひきました。(気が抜けたらしい)
今も、病床からのやっとこさの更新です、次はいつになるやら。



08_11/17◇stethoscope



先日の放課後、聴診器の説明会があった。
業者さんが、いろいろ説明していった。要するに営業ってやつなんだけど。


この4年生が無事に終われば、
5年生では聴診器を持って、白衣を着て、病院を研修で歩き回る予定です。
いわゆるポリクリってやつです。

全部の診療科を一通りみる、まぁ、お試し期間みたいなもんだけど、
患者さんからみれば、白衣着て、この聴診器もっていれば、
医者と違わないからな。
下手なことはできない。
背筋が伸びる思いで、かつ、楽しみです。

しかし、いつのまにかそんな時期です。

あー、そういえば、このサイトishimichi.netも、先日6年目に突入しました。
これからも、ご愛顧をよろしくお願いします。


08_11/30◇赤黒い気持ち




僕にだって、悩みはあるのです。




先日、放課後、
どうしてもやりきれない気持ちになって、
どっか遠くに行きたくて、
一日の授業が終わって疲れきった体に、
渾身の鞭を打ち自転車で遠出をした。
往復50kmの全力漕。







僕には、うれしいことに、
僕という人間がここまで来るのに、影響を与えてくれた人がいっぱいいる。

その中でも、確実に最大級の影響を与えてくれて
いい思い出も、いやな思い出もいっぱいあり、
ある種いろんな出発点になっている人がいる。

別に、その人に会いたいわけじゃない。

でも、その頃の風景や、場所をみて、その頃の気持ちを思い出せれば、
安易な考えなんだけど、出発点に戻れば、
少し、原点に戻って、整理して物事を考えられるようになるかなと期待して
片道25kmを飛ばした。


環状線の車道を、車にひかれそうになりながら
自分の道は譲らず自転車をこいだ。
風が時々背中を押してくれたが、大半は向かい風で、
足の末端が寒くてしびれてきたのに、呼吸は荒く汗がだくだく額から流れ、
真っ黒の背景の中でオレンジ色の街灯と、右側を抜けていく赤いテールランプの間の世界。
騒音の有名な道なはずなのに、自分の呼吸音しか聞こえない。
だんだんいろんなこと、どうでもよくなってた。








たどりついたそこは、
大きな駅ビルのある、大きな駅前であって、
それ以上でもそれ以下でもなかった。
帰り道サラリーマンたちが、
足を速めて通り過ぎる地下街への連絡通路に立ち止まって見たが、
いろんな思い出があるのは思い出せる。
でも思い出せるだけで、感傷があるわけじゃない。

最後に会った場所も、
寒く風の強い夜の、大きなマンション群の一角だった。
でも、それだけだ。いたって普通な景色。
オレンジと赤の世界の方がよっぽど息づいて見えた。






なんかある意味安心した。
そこは原点の一つであるけれど、
僕は、過去に縛られてはいない。
ちゃんと相対化できていて、
今ある問題は、今に根幹を持つ。今を生きている。
自分は今を原点にもう一度始めればいいだけのことだと思った。
リセット。




家に、帰ったら足の小指が凍傷で、真っ白になっていた。
やせ細って貧弱な色だと思った。
風呂場に行き、あたたかいお湯につけてもなかなか感覚は戻らなかったが、
だんだんと、人の色になってきて、
そのうちに気味が悪いほどパンパンに腫れて、赤黒くなってきた。

どす黒い赤い色は、自分は生きているんだと感じさせてくれる色だった。












 

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