異端医学生のぶつぶつ医療コラム。

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異端医学生のぶつぶつ医療コラム。
NO.6 新生児医療に触れ合って感じたこと(09_06/20日記より抜粋)


前回の日記で、患者さんや家族の人たちは、
病気と向き合っててすごいと思うと書いた。

ここ数週間は、さらにその気持ちが強くなるような診療科での実習だった。

その診療科は、NICU(Neonatal Intensive Care Unit:新生児集中治療室)
生まれてすぐに、重い病気があるとわかった赤ちゃんが
集中治療を受けているようなところです。


なんでかは、わからないけれど、
そういった重度の障害がある赤ちゃんは、だいたい全体的に未熟な状態なんだけど、
多くは、低体重で生まれてくる。
普通の赤ちゃんの半分から2/3くらいだろうか。
これが、本当にちっちゃい。

そういった赤ちゃんが、そしてそのお母さん、お父さんが
必死になって病気と闘ってるところ。
静かで、実は壮絶。





たぶん、医療水準がここまで上がらなかったら、
この小さな赤ちゃんは、生まれてきてすぐ死んでたんだな。
それが、医療のおかげで生きている。

一方で、いまは生まれる前から重い病気があるって診断できるものもあるのね。
食道が胃までつながってないよ、とか。
心臓に穴があいているよ、とか。
染色体に異常があるよ、とか。
生まれても命は短いですよ、とか。



それがわかっていても、親は子供を産む。
すこしでも長く、生きていたことを残そうとする。
名前をつけ、名前を呼び、元気づけている様子を、病棟では目にした。
でも、本当にどうしても、治療ができない場合もあるし、
積極的な治療をあきらめることもあるだろう。
手術など、大きな負担をかける治療に未熟な赤ちゃんが耐えられないこともある。





そして、病気の種類や、患者さんの状態、その他いろいろな要素が絡まって、
医療が成功して、長く生きて、幸せに人生を過ごせることもある。
もちろん、僕らみんな(本人、家族、医師、医療スタッフ全員)はこれを目指して頑張る。




でも、ちょっと引いた目線でみれば、
医療のおかげで、悩みが増えるとも言える。
医療のおかげで、命が短いとわかって、
医療のおかげで、その短い命もなんとかつなげられる
でも、医療の限界はあるから、やっぱり苦難の道がまっていて、大きくなる前にしんでしまう、
こともある。

じゃぁ、医療って何をしてあげたの?この親子に。
束の間の喜びと、大きな悲しみと、やり場のない憤りと、
思い出と、医療費の負担と、あとなに?


医療ってなにさ?何様なわけ?
命をもてあそんでないか?人の人生をもてあそんでないか?
そもそも、いのちってなんさ?なんなんさ?





とか、ぐるぐる考えてたら、風邪ひいた。
そしてNICUを追い出された。
(おチビちゃんたちは、感染症に弱いので、
ちょっとでも熱があるとか疑わしいと出入り禁止です。)




あー、もうちょっと見学したかったのに。
ぽつんとひとり、部屋で飲んだくれてます。




 

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